雨の日の七五三も、きっと良い日になる。 – 延期?決行?雨の日の撮影を迎える前に知っておきたいこと –

七五三やお宮参りなど、特別な日の撮影を控えている方。
やはり心配事トップ2は、
ダントツで「体調」「お天気」。
特に七五三は、着付けにヘアメイクにご祈祷に......と、事前に準備すべきことも多く、
できれば予定していた日に執り行いたいのが本望かと思います。
そこで出てくる疑問。
「延期したほうが無難?」
「雨でも撮影ってできる......?」
私の回答としては、
延期も決行も、どちらもあり。
雨の日の撮影もすごく良いです。
でも、延期した方が幸せなパターンも多々あります。
だからこそ、
ご家族に合った方法で、延期するかどうかを吟味したいです。
じゃあどんな判断基準をもてばいいのか?
・これから七五三を控えている方
・雨の心配がぬぐえない方
・日程変更が難しいため、雨でも決行したいと思ってる方
そういった方々のお助けになれば何よりです。

❶延期した方がいいかも..編
1.雨の日撮影のデメリット

まず大前提として、雨の日撮影もウェルカムです!
あえて雨の中にカメラを持って出かけたくなるほど、雨はとっても魅力的。
雨の日にしか撮れない写真があり、ときに晴れの日以上のクオリティでの撮影が叶うことも。
そうはいっても、小さいお子さま連れの方には、やはり負担が大きいのは正直なところ。
雨の日デメリットは、例えばこんなところでしょうか。
↓
▲着物や靴が濡れてしまう
(レンタルだとより心配ですよね)
▲こどもにとってストレス
(雨や寒さで自由度が減り、躍動感が減ってしまう)
▲撮影シーンに制限が出てくる
こちらの進行の仕方によって解消できる点もありますが(後でその話もしますね)、
最終的には、無理のない過ごし方を選択することが何より大事かなと思います。
2.延期を検討した方がいいパターン

雨の日撮影は、やはりすべての方におすすめできるものではありません。
▲小さいお子さんがいる
・上の子が七五三の主役で、下の子がまだ小さい
・お宮参りも同時に執り行う予定
抱っこの時間が多くなりますし、物理的に傘や荷物を持つ手が足りず、負担が増えてしまいます。
▲当日のサポートが少ない
撮影中は柔軟にサポートしてくれる人がいますか?
物理的に人手があるかどうか、これは雨の日に関わらず結構重要なポイントです。
子ども2人以上に対して大人が2人しかいないなど、大人が少ないと想像以上にバタつくものです。笑
あいにく私がワンマン運営のため、どうしてもお手伝いできる範囲にも限界があり、また雨の日はいつも以上に撮影に神経を使うため、普段よりも手が必要になってきます。
▲体調に不安がある
・天気が悪いとなんとなく気分が落ち込む(偏頭痛するなど)
・保育園や学校で風邪が流行ってる
お子さまが今は体調が良くても、特に秋は流行り風邪も多く、感染の可能性が高い場合などはくれぐれもご無理せず。
▲雨があまり好きでない方
シンプルに雨が降ると「億劫だなぁ、でかけるのやだなぁ」と感じる方。
素直に、気持ちが晴れやかになる日取りに延期したほうがいいかもしれません。
しかし、家族全員の気分や意見が一致しないことも往々にしてあるかと思います。
悩ましいところですが経験談としては、
主役の子が「今日絶対やりたい!」と伝えてくれたことが、最終判断の後押しになったという親御さんの声も多いです。
大人の都合やモチベも気になるところですが、まず主役の意思をきちんと確認した上で、家族の妥協点を見つけられるといいですね。

❷雨でも決行しちゃいましょう!編
さぁ、ここまでデメリットや延期のススメを並べた上で、それでも雨の日に撮影をせざるを得ない方もいると思います。
不安が拭えない方へ、雨の日の撮影の良いところもお伝えしたいと思います。
1.境内が空いてる!

秋の七五三シーズンは、特に有名な寺社仏閣だと、境内がとても混んでます。
その点、雨の日は参拝者もぐっと減るため、背景への映り込みも減らせます。
(混雑時もできる限り写り込みの少ないスポットをご提案するように努めます)
ご祈祷やお賽銭前などの、待ち時間も比較的少なくなりますし、撮影場所は空いているに越したことないと断言します。
2.雨との親和性が良き

水、光、色。さまざまな要素が合わさることで、程よいコントラストを生み、画を美しく装ってくれます。
特に寺社仏閣では、建物の朱色や木々の深緑、石畳の灰色など、ディティールがより映える効果があります。
雨が魅せる静けさや重厚感、これが神社というロケーションやお着物にマッチし、締まりのある雰囲気に仕上がる。
あえて雨の日を狙ってもいいんじゃないかと思うくらい、雨は大きな役目を果たしてくれるんです。
3.肌色がきれいに映る

写真は、実はピーカン晴れの日のほうが難しい、という側面もあり、
一方雨の日ならではの、柔らかな光の美しさがあります。
強い光があると、お子さんが眩しくて目を閉じてしまったり、フォトグラファー側も光の位置を見ながら、撮影する場所やアングルをその都度調整する必要が出る。
晴れているからといって、必ずしも撮影しやすいわけではないのです。
その点、雨の日は空全体が大きなディフューザーのような役割をしてくれるため、
光が柔らかく均一にあたることで、肌もなめらかに、しっとりとした質感に写りやすいのです。
< 補足:よくある質問 >
曇りや雨は「暗い」写真になるのでは?
反射的に「雨=暗い」、そう感じられる方も多いと思います。
基本的にどんな天候でも、写真の明るさはある程度編集で調整することができます。
そして重要なのは、
明るいから良い写真、暗いから悪い写真、というものではない。
というのが私の考えです。
明るさやコントラストは、あくまで表現方法のひとつ。
その写真を見たときにどう感じるかも、人それぞれです。
そのあたりは、フォトグラファー選びの段階である程度解決できると思っています。
まずは、その人がこれまで撮ってきた写真をいくつか見てみること。
「なんとなく好き」
「この雰囲気、いいな」
そんなふうに、写真全体の空気感に心惹かれるフォトグラファーを選んでいただければ、天気による明るさの違いも、きっとその人らしい写真として仕上がるはずです。
4.雨は「恵み」という考え方

以前、とある神社さんで、社務所前のひさしで一休みしていたときのこと。
巫女さんが、「今日は特別美しいですね」と、にこやかに声をかけてくださったことがあります。
その澄んだ眼差しからは、まるで「あなたはラッキーですね」と言ってもらえたような気持ちになりました。
ほんの少し、「雨かぁ」と思いそうになっていた心が、きちんと箒で掃き出されたようでした。
私自身、去年から山のおうちに暮らすようになり、「雨は恵みである」ということを実感する日々です。
七五三という日は、本来、子どもの成長を祝い、健やかな成長を願う、神聖な儀として今日まで大切にされてきました。
一方で、近年は私たちのような撮影サービスも増え、写真を撮ること自体が目的になってしまうことも、少なからずあるように思います。
だからこそ私も、あのときの巫女さんのように、雨で不安を抱えているご家族を前にしたとき、「雨でよかったですね」と、幸運をお裾分けできるくらいの心持ちでいたい。
そして、神聖な場に降る雨が持つ美しさや恵みを、きちんと受け止めながら、その日の時間を一緒につくっていきたいと思っています。
❸雨の日を楽しむための3つの準備

いざ雨の日の撮影を迎える前に、少し準備をしておくだけで、当日の負担をぐっと減らすことができます。
おすすめしたいのは、「荷物」「情報」そして「気持ち」の3つを準備しておくこと。
雨そのものを変えることはできなくても、これらを備えておくことで、「雨の日、どうしよう……」という不安は小さくできると思います。
1.荷物
・傘
傘をさした状態で撮影する際、濃い色の傘ですと、その色が反射してお顔の色に影響することがあります。
できれば透明のビニール傘がおすすめです。
それか、お着物に合う和傘や、お子さまのお気に入りの傘など、気分が上がるものを選ぶのもOK。
その場合は、お顔への色移りが起きないよう、傘を少し傾けてもらうなど、工夫しながら撮影します。
・レインコート
撮影場所への行き帰りや、撮影スポット間の移動で、さっと羽織れるものがあると便利です。
・替えの靴+靴下

下駄や草履で歩くのが大変そうなお子さまには、長靴や、ブーツという選択肢もありです。
ブーツとお着物の組み合わせは、今ではスタイリングとして取り入れられることもあります。
雨の日に関わらず、履き慣れている替えの靴はご準備いただくのが安心です。
そして、意外と見落としがちなのが靴下の替え。
濡れた時用だけでなく、足袋のまま普通の靴を履くのを嫌がるお子さまもわりといます。
・乾いたタオルを数枚
濡れた足元や手を拭いたり、ちょっとした水滴を拭き取ったり。何かと出番があります。
そのほかにも......
・荷物はできるだけ小さく、ひとつにまとめておく
・バッグは濡れてもいい素材、もしくは防水カバーを用意する
・境内に荷物を置かせてもらえる場所があれば、そこを拠点にする
・撮影中は必要なものだけ身につけて動けるようにする
など、「なるべく身軽に動ける状態」を作っておくと安心です。
2.情報

・早めの天気予報チェック
直前に変わることも大いにありますが、1〜2週間前くらいから、なんとなく傾向をチェックしておくと安心です。
・フォトグラファーへの相談+候補日の設定
雨天時どうしたいかのご相談が早い段階でできていると、いざという時の代替案を余裕を持ってお伝えしやすいです。
「ちょっと早すぎかな?」くらいのタイミングでご相談いただいて構いません。
ギリギリまで様子を見たいのか、あらかじめ候補日を設けたいのか。
お客さまによってお考えはさまざまなので、ご希望をより具体的にお伝えいただけるとフォトグラファー側もありがたいです。
最適な方法を一緒に考えていきましょう。
また、ご相談いただいた時点で空きがあれば、変更料なしで日時変更が可能です。
どうしても心配な方は、1つだけ候補日を設けることもできます。
(別のお客様から第一希望日として同日のご依頼が入った場合は、本予約が優先となります)
・着物レンタル、美容院などキャンセル可否の確認
ご予約時に各所キャンセルポリシーなどをよく確認しておくと安心です。
変更期限があれば、最終判断を下すタイミングの目安にもなります。
特に10-11月は七五三人気シーズンなので、着たい着物がすでに売り切れていたり、美容室もいっぱいだったり、直前の変更だと融通が効きづらい可能性が高いです。
3.気持ち

私が思う何より大切な準備は、
今日という日を楽しむための、心の準備。
良い写真を残すためには、撮影に適した天候やロケーション、時間帯など、たしかにあります。
でも、それらが揃えば必ず良い写真になるわけではありません。
実は、主役だけでなく、参加者全員の心のコンディションが、写真にも大きく影響します。
家族みんながよく笑っていれば、主役の子も気持ちよく心を解放できる。
人間ですから、やっぱり周りが楽しそうだと、自分も楽しくなってくるものです。
「雨になっちゃった……」という気持ちを引きずって当日を迎えると、どうしても全体の雰囲気が落ちてしまいます。
今日やる!と決めたのなら、「せっかくだから楽しもう」
そんな気持ちで臨んでいただけたら、きっとどんな撮影環境でも、思い出に残るひとときになり得ると思っています。
もちろん、そこにフォトグラファー側も、持ち得る技術や熱意、想いを最大限に注ぎ、サポートします。
ご家族だけでも、フォトグラファーだけでもない。双方がその場を良くしよういうマインドを持つこと。
それが、良い撮影時間をつくるために何よりの必須条件だと、日々実感しています。
4.イレギュラーこそ、色濃く残る
そして最後にもうひとつ。
ちょっとイレギュラーな日のほうが、思い出に残ったりしませんか?
余談ですが、私の成人式は、近年稀に見る記録的な大雪の日でした(東京で!)。
長靴でなんとか成人式会場へ向かったものの、着物もびしょびしょ。
迎えに来てもらった親の車が走れず、ガソスタに駆け込みスタッドレスタイヤを買うはめに。
着物姿にレインコート+傘+長靴で完全防備。
大変だったけど、今となっては笑い話。
雨の日にてこずったこととか、家族で手を取り合ったこととか。
結果論かもしれませんが、ちょっと負荷のかかった一日のほうが、色濃く残ったりするものかもしれません。
❹フォトグラファーなりの工夫

最後に、雨の日の撮影で、私自身が工夫していることについても少し。
1.雨を凌げる場所を活用する

そこまで広いスペースでなくても、短時間だけ雨を凌げる場所があるだけで、負担をぐっと減らすことができます。
特に寺社仏閣では、思っている以上に、ひさしや軒下などが点在しています。
場所によっては社務所など、屋内で撮影できる場合もあります。
(もちろん、撮影許可は事前に確認します。)
雨だからといって、ずっと雨の中にいる必要はありません。
うまく組み合わせながら撮影していきます。

2.「導線」に気を配る

足元が悪い中での移動は、それだけでも一苦労。
撮影スポット間をなるべくスムーズに移動できるよう、回る順番や、どこでどんな写真を撮るかを、事前に組み立てておきます。
これは晴れや曇りの日も同じですが、雨の日は特に、あえて撮影スポットを欲張らないことを意識しています。
目安としては2〜3箇所ほど。
「最低限、ここだけは残したい」というポイントを絞り、コンパクトながらも、しっかり良い写真が残せるように撮影プランを組みます。
その上で、ご家族にまだ余力がありそうなら、追加でスポットをご提案することも。
その日のご家族の様子を見ながら調整していきます。
3.早めのご案内

雨の心配がある場合は、できるだけ早い段階で、雨天時の撮影についてご案内をお送りします。
「雨だったらどうしよう」という不安を、当日まで抱えたままにしないこと。
延期する場合も、決行する場合も、少しでも安心して当日を迎えていただけるように準備しておくことも、私の仕事のひとつだと思っています。
まさにこの記事も、そんなときの参考になれば嬉しいです。
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最後に。
私が七五三の撮影で目指しているのは、撮影の日そのものが「楽しかった!」と思ってもらえること。
なので、もしご家族が無理をして決行して、ただただ疲れてしまった......という締り方だったら、それはちょっぴり悲しいです。
「七五三はこうするもの」
「この日にやらなきゃ」
「着物を着せなきゃ」
と、大切な日だからこそ、力が入るものです。
すると、いつの間にか「こうあるべき」に縛られてしまうこともあるかもしれません。
もちろん、ご家族それぞれの事情があるので、何が正解ということではありません。
でも、
ただ、「何がなんでも、その日にしなければならないのかな?」と、一度立ち止まる機会は大切だと考えています。
もしその日に撮影ができなかったとしても、来年に持ち越すことだってできます。季節を少しずらすこともできる。
お祝いする気持ちがあれば、リベンジはいくらでもできます。

雨の日も、晴れの日も。
ご家族にとって、その日が「いい日だった」と思えるような選択をしてもらえたら。
そして私は、その選択に寄り添いながら、ご家族にとって大切な節目の時間を彩っていけたらと思っています。
ご不安があれば、いつでも気軽にご相談くださいね。
みなさまのハレの日が、どうか良き一日となりますよう、心から願ってます。
