◆私なりのソーシャルディスタンスの考え
人によって心地よい距離感は違う

コロナになる前から、距離感とか「間」みたいなものについて考えることは多かったような気がします。
人との距離感って、そんな簡単に決められるもんじゃないと思う。
物理的距離とか、心理的距離とか、時空間的距離とか。
いろんな距離シチュエーションを組み合わせた上で、人によって心地よい距離感っていうのは変わってくると思うから、すごく複雑。

ウィルス感染させないために触らない、離れる。
そんな簡単に決められたら、人間関係に苦労なんてしない。

世の中の大半の人の悩みが、「人間関係」だってことは周知のとおり。
だから、人との距離感について考えることは、私の中でとても重要テーマなんです。

誰しも、人との距離感になかなかしっくり来なくて、苦労した経験はあると思います。
大人になるにつれ、面と向かって人とぶつかることは減っていって、
近づくことを避けて、折り合いをつけるようになったり。
人の深いところまで知ると言うのは、傷つくこともあります。
距離感の取り方が人によって違うから、それでギクシャクしてしまうこともあります。
私は不器用なので、近づいたり、遠ざけたり、色々な距離感を試しては失敗して、、

だけど、
それ以上の喜びがあることも、幸運にも私は知れました。
当たり障りのない飾りつけたものだけで、お互いを判断するような関係からは、自分は喜びを得ないってことがわかってきて。
私は撮影で出会った方とも、スキアラバ仲良くなりたい!親しくなりたい!
そう思っちゃう人です。
依頼人と雇われ人、みたいな関係性を通り越して、その時間を楽しみたいなって。

もちろん気の合う合わないは人間なのでありますが、
たくさんの人と出会っていると、不思議と、昔よりも気の合う人が集まってくるような感覚を持ち始めています。
じぶんにとって心地よい距離感を見つけられたら、
きっと幸せなんじゃないかな~ていつも思います。
つかづはなれずの距離感。

前回コラムでお話しした、家族のオリジナリティを引き出すために、良い表情を引き出すために、欠かせないのは相手との「距離感」。

私がフォトグラファーとして意識している距離感というのを言語化するのはすごく難しいのですが・・
気づいたらすんなりそこにいる人でありたい。のかなぁ。
なんとなく横にいても違和感なくて、
顔を見合わせて笑い合えるような存在。とか。

いつも通りしてくださいね〜って口だけじゃ、やっぱ顔作っちゃうと思うんです。
素でいようと思ったって、
出張撮影を頼んだからには良く写りたいと思うはず。
撮影前なんか、結構みなさん緊張してるんじゃないかと思います。

私にできることは、
できる限りいつも通りの状態に戻していくために、とにかくリラックスしていただくこと。

たぶん私は、どちらかと言えば、親しみやすい人だと思います!
はのじ眉毛と、笑うと細くなる目のせいかしら。
ベースが笑ってるかぼーっとしてるかな顔なので、こどもにもあんまし怖がられることはなくて、ちょっと得してるなぁと。笑

さっき「スキアラバ仲良くなりたい!」なんて馴れ馴れしい発言しましたが、
意識してるのは、
つかづはなれずの距離感。

私自身、子供の頃はかなり人見知りだったし、大人になった今でも、知らない人と接するときには、かなり距離感に敏感です。

心地よい距離感は、もちろん人によって全然違います。
最初っからエンジン全開でくっつきたい人もあれば、
最後の最後でようやく距離感を近づけることができたり。

遠目で全体像を写す様な写真が欲しい人もいれば、
こどものドアップ笑顔が欲しい人もいる。
いずれにせよ、
できるだけその人の心地よい距離感で寄り添えるようにしながら、
なるべくバランスよくバリエーション豊かなシーンを残すことに尽くすことが、私がしている工夫です。
たった1時間の関係性だけど・・・

その場でご家族の全てを共有することは難しいけど、それは実は家族同士でも同じことだと思う。
同じ空間に長い間一緒にいたって、心が通じないことなんて山ほどある。
たくさんの時間の共有すると、知ったつもりになる罠だってある。
相手のことを理解したつもりになってしまう罠とかとか。

だから私は、
今までの蓄積だけで、人と自分との関係を簡単に決めたくない。
目の前のご家族の全てを知らなくても、
今、相手の心にそっと寄り添えるかどうかを大切にしたい。
あらゆる条件をとっぱらって、
今、楽しいかどうかを大事にしたい。
今を楽しんでもらえるかどうか、
そこに私の撮影の価値をまず第一におくことで初めて、
のちに振り返ったときにじんわり温かい気持ちになれる写真が撮れるんじゃないかなと、考えています。

コロナでますます距離感が難しく感じることも多いかもしれませんが、
こんなときだからこそ、改めて人との距離感についてしみじみ考える機会も増えたので、
記事にしてみました。
読んでくれて、ありがとうございました!
